草原に詰め上げる上州の癒し系、宝川ナルミズ沢(利根川水系)

8月28日~30日 人数:9人 形態:沢登り 交通手段:自家用車

酷暑の横浜から天国の草原へGO!

ナルミズ沢渓中泊遡行

今年は新型コロナウィルスの感染拡大と長梅雨に加え、自分自身の帯状疱疹の発症で予定していた笛吹川釜ノ沢と丹沢沖ビリ沢の渓中泊遡行に行くことができず、今シーズンに入ってから行った沢は世附の法行沢だけ。

なので、極上のナメを歩き草原に詰め上げる上州のデート沢と言われるナルミズ沢に来るのがとても楽しみだった。

1日目

長い林道歩きと炎天下のダラダラ坂に思わぬ苦戦

今回のメンバー9名のうち3名はテン場確保のために先発し、私たち後発6名は2か所の集合場所から出て上越高速の駒寄で合流し宝川温泉を目指した。

関越自動車道を水上ICで降り、谷川岳に向かうおなじみの道を途中の大穴で右に折れ藤原湖を通り宝川温泉に向かう。

宝川温泉汪泉閣の山門先にある駐車場は使用禁止になっているので、山門手前の道路わきスペースに車を停め宝川沿いに朝日岳登山口に向かって進む。

歩きはじめて間もなく樹間に林道沿いを流れる宝川の見事なナメが見え始めると、明日遡行するナルミズ沢への期待が高まる。

宝川のきれいなナメ

宝川温泉からウツボギ沢出合の泊地に至る約9㎞のうち前半の6㎞強はところどころアスファルトさえ敷かれている林道歩き、さほど傾斜もなく楽勝だと思っていたのが間違いだった。

登山口手前には立派な橋があった
登山口手前には立派な橋があった
朽ちた吊り橋
電力会社の巡視路らしい吊り橋は踏板が所々外れている

足元の良さに油断して少々ハイペースで日当たりの良い林道を歩きながら、知らず知らずのうちに体に熱をため込んでしまったのか朝日岳登山道入り口から起伏が多い山道に入り30分もしないうちに大量の汗をかき、足も上がりにくくなってしまった。

コロナ自粛期間中の運動不足が祟ってペースダウンした他のメンバーの陰に隠れ、私が消耗しているのを気づく人はいなかったようだが、体力不足なのか熱中症なのかここ数年これほど歩くのに難儀したのことはないというほど疲れてしまった。

なので、4時間強の行程を経てテン場に着くとどっかと座り込み、途中のコンビニで買いこんだビールを翌日分まで一気に2本飲んでしまった。。。

そう、今回のテン場はウツボギ沢とナルミズ沢に挟まれた三角地帯だったが、我々のテン場の対岸になるナルミズ沢の左岸にも河原から登る踏み跡があり、上がってみるとそこにも2~3張はテントを張れそうな平地があった。

2日目

ナメ沢を遡行し天国の草原を抜け地獄の下山

1日目は思いのほかくたびれてしまい、翌日はテント番になってしまうかな?などと少し気弱になっていたが、その疲れのおかげで夜中に一度も目が覚めないほど熟睡できて目覚めすっきり、昨日の疲れがすべて何処かに吹っ飛んでいた。
4時に起床し周りが明るくなるのを待って5時半に出発。

遡行開始

普段よく行く登攀系の丹沢の沢と違い、ナルミズ沢は穏やかなナメと所々深い釜、そして目前に広がる草原の向こうに大烏帽子山の山頂がそびえるという開放的な明るい沢だ。

そして、ナメ滝の中にはよく滑るツルツルの黒い岩があり、試しに座ってみるとウオータースライダーのようによく滑るので面白がって何回か滑ってみたりした。

ウオータースライダーの滝
ウオータースライダーの滝
水につかって深い釜を突破
水につかって深い釜を突破

昨夜はテントの入り口をネットだけにし風を通して丁度良いくらい暖かかったが、沢靴で歩き始めても水は冷たくなく、胸まで水につかる釜に入っても快適な夏の沢歩きを楽しめた。

大烏帽子山
草原の向こうに見える大烏帽子山

難しい登攀がなく穏やかな沢歩きを楽しめるナルミズ沢、そのうえ終始これから進む先が見えるので天候さえよければルーファイに悩むこともない快適な沢を詰めると、そこには天国の草原が待っていた。

天国の草原
沢を詰め天国の草原を登っていく
ここは天国か地獄か?
ここは天国か地獄か?

天国の草原から地獄の下山と誰かが言っていたが、ナルミズ沢は美しい草原に詰め上げてからの長い下山が地獄のようだという。

とりあえずは蓬峠から白毛門への登山道へと出るジャンクションピークまでが特に辛いらしい。
確かに歩いていてあとどのくらいかな?とふつうは地図を確認するが、ここの場合は遥か先にほぼいつも目的地が見えていてなかなか近づかないというのが歯がゆいのだろう。

向かうははるか先
向かうははるか先

とはいえ、昨日の疲れが嘘のように今日は絶好調だったので、私にとっては雄大な景色の中を歩け、沢の中から下山に至るまで全部が天国を感じる一日だった。

ジャンクションピーク
ジャンクションピーク

ジャンクションピークから朝日岳に向かい途中の鞍部から宝川方面に下るのだが、斜面の草原のなかにいくつか大きな池があり、それでこの辺りはトンボがたくさん飛んでいるのかと思った。

朝日岳手前の草原にある池
朝日岳手前の草原にある池

テン場に到着!

あとは明日の朝帰るだけなので、これからはゆっくりくつろぎタイム!

昨夜は疲れていたし食べて(飲んで)寝るだけだったが、今夜はゆっくり食べてたくさん飲んで寝るだけ。

1人が釣竿を持ってきたので初めて釣をするというメンバーが餌をつけてもらって糸を垂らしていると、続けざまに2匹ゲット!

釣り上げたイワナで骨酒を作りみんなでおいしくいただいた。

3日目

日帰り温泉に寄って帰還

2日間たっぷり汗をかき沢の水に浸かっているので、帰りの楽しみは日帰り温泉!

宝川温泉汪泉閣の日帰り温泉が始まる前に着いてしまっても時間を持て余してしまうので、ゆっくり起きて7時半ころテン場を出発しようということになっていたが、ゆっくり起きたのになぜか6時半には撤収完了してしまったので予定より1時間早く出発した。

帰り道はまだ気温が低く、概ね下りでペースもセーブしているので楽勝楽勝!

9時半に駐車スペースに到着してしまい、日帰り温泉には早すぎる到着かと思ったが窓口が開いていたので確認すると9時から入れるということだった。

ちなみに日帰り入浴料は通常2,000円のところ特別料金で1,000円だったが、HPによると10月1日からは1,500円に上がるらしい。

コース情報

1日目
宝川温泉11:08~13:05朝日岳登山道入口~15:33ナルミズ沢(泊地)

2日目
ナルミズ沢(泊地)5:36~6:43大石沢出合~10:41ジャンクションピーク11:07~13:21大石沢出合~14:16ナルミズ沢(泊地)

3日目
ナルミズ沢(泊地)6:34~8:02朝日岳登山道入口~9:33宝川温泉

MAP

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