大ゴリョウ沢・早戸大滝(早戸川水系)
日程:5月4日 日帰り 天候:晴れのち雷雨 参加者:11名 アプローチ手段:自家用車 山行形態:沢登り
愛甲石田駅からスタート
愛甲石田駅でメンバーをピックアップした私は、大ゴリョウ沢への入山口目指して車を走らせた。ここは昨年行った原小屋沢と同じ早戸川にある国際マス釣り場の先の本間橋付近に車を止めて入渓するので、マス釣り場をナビにセットしてあとは林道の終点めがけてひたすら狭い林道を走り、やがて着いた本間橋あたりの空きスペースに車を停めた。
史上初の10連休となったゴールデンウィークということもあってか、マス釣り場にはたくさんの車が停まり釣り客が大勢いたが、この辺りはそれほどの混雑もなくいつも通りポツポツと駐車している車がある程度で、他には空き地にテントを張っているキャンパーの姿があったくらいだ。
チーフリーダーから入渓地点で沢装備を付けようと言われたが、荷物を背負うより装着した方が楽だからガチャはつけて行きたいと言ったら、結局ここからフル装備して靴を含めいらないものは車に残して行こうということになった。(ラッキー)
後になってみると、途中雨に降られ全身びっしょりになって帰って来たのでアプローチシューズで行かなくて正解だったと思う。
装備を身に着けメンバーの不用品を車に預かったあとで忘れ物を取りに戻ると、車の中に置いてある預かり荷物の上でヒルがダンスを踊っていたので、急いで道路に振り落として退治したが、どうやら荷物を拡げた草原にヤツはいたらしい。
日当たりの良い草原でも油断できないもんだ。
沢を歩いて雷平まで行く
去年原小屋沢に行ったときは伝道から造林小屋を通って登山道経由で雷平へ行ったが、本間橋でフル装備をしたので伝道から山に入らずにそのまま最短距離で河原に降りた。
河原に降りるとすぐに対岸に岩が重なって家状になった岩小屋が見えるが、ここで雨を凌げる?っていうか増水が心配で雨を凌ぐ気分になれないな、、、私は。
岩小屋の対岸の大岩の間を通り抜け渓谷の風景を楽しみながら遡行しつつも、できるだけ浅いところを歩き、渡渉で深いところにはまると冷たいっ!と言いながら歩いていると行く手に釣り人の姿が見えたので、手前から高巻くように指示して釣り人の上を通り過ぎた。
しばらく行くと再び行く手の岩の上に2人の人影、明らかに沢登りをしているとは見えないけど竿も持っていないからまぁいいか、そのまま渡渉を続け彼らのそばを挨拶をして通り過ぎようとすると「ちょっとすみません」と話しかけてきた。
どうやら早戸大滝に行こうとして道に迷ってしまったらしい。(雷平に行く前に沢に降りちゃったんだね)この辺りに詳しいチーフリーダーが登り返しの方向とその先の説明をしたが、誰かのブログの写真を頼りに地図を持たずに来ちゃったらしいので、地図で説明できなくてちょっと手こずっていた。
この先胸近くまで水に漬かる場所を通らなければいけないから、私たちも同じ方向に行くから一緒に、というわけには行かないので、、、まぁ行く先がわからないけれど戻ることはできるというので大丈夫だろう。
そしてやってきた雷渕、腰から胸辺りまで水に漬かって通過しなければならない場所だが、今回は淵の手前まで砂が堆積していて水没区間はほんの数メートルで済んだ。
一度水にどっぷりと漬かってしまい観念したのか、さっきまでちょっとしたところで冷たいのなんのと言っていたメンバーも、ジャブジャブと積極的に水に入っていくようになった。(ような気がする)
雷平で小休止したのち、原小屋沢を右に分け左へ延びる本谷沢へ入っていく。
早戸大滝まで往復してから大ゴリョウ沢へ
雷平を出てすぐ右手、本谷沢左岸に落ち込んで来る沢は吉備人出版の東丹沢詳細図に大ゴリョウ沢と表記されているが、「丹沢の滝200ルート」にもこれから行こうとしている沢が大ゴリョウ沢なのか、1本下流にあるこの沢が大ゴリョウ沢なのか不確かだと記されている。
さて、大ゴリョウ沢その1から7~8分先にある今回目指している大ゴリョウ沢の出合に荷物をデポして早戸大滝まで往復することになり向かう。
早戸大滝は日本の滝百選にも選ばれている名瀑だけあり、手前に被さる岩によって隠され2段50mの全容が一部隠されていることにより一層の趣きを放っているように感じられ、この滝の一番の見ごろである紅葉の時期にぜひ再訪してみたいと思った。
上段にある大滝の滝つぼまで登って下を見下ろすと、雷渕の手前で会った2人がやってくるのが見え、無事に来れてよかったね。と他人事ながら思った。
大ゴリョウ沢遡行
名瀑を十分堪能し、堪能し尽して、さぁ帰って生ビールでも飲もう!という気分になりかけた時、大ゴリョウ沢を遡行するというメインの目的を思い出した一同、デポした荷物に戻り昼食を摂ってから遡行を開始した。
すると、青空がいつの間にか黒い雲に覆われ最初は滝の飛沫化と思ったが、雨粒がポツポツと落ちてきた。
最初の数本の滝はいずれも足元に気を付けながらも皆順調に登って行く。
そして、965mから大ゴリョウ沢右股に入って2つ目の12mの滝は、せっかくなので高巻きせずに上からロープを垂らし確保して流れ右側を登ってもらった。
12mの滝を登ると、ナメ状の滝が連続していて飽きないが、苔が乗っていて油断をすると滑り易い場所もいくつかるので、時々スリングで補助して登る。
持参した遡行図では水涸れの手前標高1,010m辺りで左岸から白馬尾根に抜けるトラバース路があるとなっていたが、水量が多く水涸れしないまま1,080mまで登ってしまっているのに気づいて戻る一幕もあった。
沢から離脱して湧水の前を通り作業道を使って白馬尾根の登山道へ向かった。
雷鳴の中下山
作業道はすぐに樹林帯に入り、やがて下降していくうちに先頭を歩いていたメンバーが先行パーティーがいないことに気づき最後尾の私に伝えてきた。
白馬尾根に向かってのトラバースはほぼ標高を保ってすると打ち合わせていたが、つい作業道に沿って下降してしまったのだ。試しにホイッスルを吹くと案の定やや上方向から先行パーティーの吹くホイッスルが聞こえたので、作業道を無視して上方に進路を修正しながら尾根を回り込むと果たして先行パーティーと合流できた。
気が付くと樹林帯の中を歩いているにしても14:00過ぎだというのに周囲がだいぶ暗い、と思っているうちに先ほどまで遠くで聞こえていた雷の音がすぐ間近に鳴り響き、時々ピカッと稲光で周囲が明るくなり下山の足を速める。そのうち周囲が一層暗くなったかと思うとパラパラと雹が降ってきて、やがて雨に変わり皆が雨具を着け始めたが、元よりネオプレーンのサーフィン用Tシャツの上にヤッケを着ているので体が冷えることもないだろうとそのまま下った。
雷平に着くころには雷鳴も収まり雨も小降りになってきていたが、渡渉箇所では朝よりも幾分か水量が多く感じられた。
以前よりだいぶ頼りなくなった木橋を渡り、傾きがひどくなった造林小屋前を通り、本間橋に着くころには雨はすっかり上がり、丹沢観光センターの軒先で装備を解除して着替えていると日光が射して冷えた体を温めてくれた。
コース(タイム)
本間橋 8:30 - 8:57 岩小屋 - 10:02 雷平 - 10:20 大ゴリョウ沢出合 10:30 - 10:53 早戸大滝 11:10 - 11:25 大ゴリョウ沢出合 11:55 - 14:20 1,010mトラバース道~白馬尾根 - 15:10 雷平 -15:44 造林小屋 - 16:12 本間橋