沖ノ源次郎沢(水無川水系)

日程:3月30日 日帰り 天候:曇り時々晴れ 参加者:7名 アプローチ手段:電車、自家用車 山行形態:沢登り

あまりの寒さに計画変更

沖ノ源次郎沢そのものは水に入らずに詰められる涸れ沢だけど、それじゃつまらないということで今回の計画では水無川本谷をF5まで遡行してから沖ノ源次郎沢に向かうはずだった、、、

ところがここ数日寒の戻りで寒い日が続いているため集合したメンバーが口々に”水に濡れるのはイヤだ”とか”冷たいのはヤダ”とかわがままを言いだしたため、太っ腹なCLが本谷F5まで書策新道で行く計画に変更してくれた。

戸沢出合から本谷F5

待ち合わせ場所の渋沢駅南口のロータリーから車2台に分乗して戸沢出合の駐車場に向かい、沢靴や沢用スパッツを車に置いて本谷F5を目指して書策新道を登って行った。

書策新道は相変わらず荒れている

書策新道は相変わらず荒れている

沢登りの下山ルートに使われる以外はバリエーションルートを好む物好きが歩く程度であまり一般登山者に歩かれることのない書策新道は新道とは名ばかりで通るたびに年々少しずつ荒れてきているのを感じるが、昨年秋の台風の影響か今回はさらに悪くなっていた。

遠くに本谷の滝が見えてきた

遠くに本谷の滝が見えてきた

その中でも、本谷F5の上を通る径路が大きく崩落していてロープを使って通過する個所では、崩落個所をトラバースしようとすると足元の土砂が流れ易くなっていて、本谷に向かっていつ落石させてもおかしくないような状況になっている。

すっぱりと切れ落ちてしまい、固定ロープで通過する。

すっぱりと切れ落ちてしまっているところを、固定ロープで通過する。

いつ落石を起こしてもおかしくないトラバース

この真下に水無川本谷が、、、

所属している山の会では毎年5月に数パーティーに分かれてあちこちの沢を登る合宿を行っていて、今年は東丹沢で行うことになっている。前回東丹沢で行ったときに、セドノ沢右俣を遡行した帰りに書策新道を下ってきたら丁度この辺りで本谷を遡行している仲間を見かけて上から呼びかけた記憶がある。

同じような場面に遭遇したら今年は足元の石を本谷遡行中の人に落としかねないし、他の登山者からの落石を受ける可能性も少なくないので、本谷パーティーが下見に行く前に注意喚起をしておこうと思った。

登り始めてから1時間ほどで本谷F5上の沖ノ源次郎沢への分岐に到着。書策新道と本谷の交差点

書策新道を下ってきた人が間違って沢を下らないようにという配慮か、F5の滝の手前にある大岩に取り付けられた看板には下降危険の赤い文字があった。

沖ノ源次郎沢

書策新道から本谷沢に入り大岩を乗り越えながら登ると間もなく沢が二手に分かれたところを、左側の沖ノ源次郎沢に入っていき20m2段の棚の手前でザックを下ろし、ハーネスとガチャを身に着けクライミングシューズを履き菓子パンをかじって一息つく。

本日のメインディッシュ

本日のメインディッシュ

装備を着けてからしばらくロープワークの確認やハンマーとハーケンの取り扱いのレクチャーをリーダーから受けると、ほとんどハーケンを打ったことのないメンバーは興味津々でハンマーを手に取ったりしていた。

登攀準備に移り棚の前でロープを捌いたリーダーが誰がリードする?と皆に声をかかる。遡行図によるとⅢ+~Ⅳ、まして沢靴ではなくクライミングシューズなので容易に越せそうな感じだが、このところクライミングの練習からしばらく離れていたので躊躇していたら他のメンバーからも手が上がらずリーダーがロープをハーネスに結ぼうとしたので、慌てて手を上げてリードをとらせてもらった。

手も足も多そうでピンがあまり見当たらなかったので、それほど使わないだろうとヌンチャクを5本ぶら下げて登りだす。

涸れ沢とはいえ沢は沢、やはり岩のゲレンデとは違い浮石や岩の表面を覆っていたりして取り付いてみると見た目以上に神経を使って登っていくと、これまた意外といいところにピンがあり気が付くと思った以上にヌンチャクを消費していて登り間際にいったん受け取ってから返した1本が悔やまれたが、最後の1本になる5本目のヌンチャクをかけて体を上げると終了点のハンガーボルトが目の前にあってホッとした。

後続の人達は終了点のビナにマスト結びしたロープにプルージックで自己確保して間隔を開けながら登って来る方法を取ったので、あまり待たされずに全員が登り終わった。

ロープを張って後続の到着を待つ

ロープを張って後続の到着を待つ

2段目の棚は、遡行図ではⅣ+~Ⅴになっていたが登り出しの1手目を越えると緩やかなスラブ状で、感覚的にはこちらのほうがずいぶん楽に登れた。

2段目は登り出しが核心?

2段目は登り出しが核心?

この2段の棚以外にはこれといってロープを出すような場面もなく、苔むした岩の緑や青空を楽しみながら水の無い谷の底を尾根に向かって詰めていく。

1,050mあたりにあったチムニー状の岩はつい入っていきたくなるが、チムニーに入らずに両足をステミング気味に広げてチムニー手前を右からかわすと楽に登ることができた。

チムニーは手前から右に上がると楽だった

チムニーは手前から右に上がると楽だった

赤岩から下山

赤岩にセットしておいたコンパスの矢印がだんだんと左に向いてきたので、沢床から尾根に上がりやすそうなところを選んで登ると支尾根と支尾根の間の浅い谷間に石積みの堰堤が幾重にもあった。こんな高い普段は水も流れていないところに何の目的で堤がつくられたのだろう?

堰堤をいくつか乗り越えるとはっきりした踏み跡が現れて到着した赤岩からは、ちょっともやってはいたが秦野の街並みが見下ろせた。

赤岩から秦野市街を見下ろす

以前源次郎沢を詰めた時には赤岩の手前で大倉尾根に向かったので、ここに来るのは初めてだ。

赤岩から花立山荘と金冷やしの間に出ることもできるが、今日は源次郎尾根を下り書策新道と合流する最短距離で下る。

源次郎尾根は眺めが良い第一草原と、樹林帯の作業道が分かれるあたりが迷いやすいそうなので要所要所でコンパスをセットしながら慎重に下った。

樹林帯に入り、昨秋の台風の影響かおびただしい新しい倒木をくぐりながら下ると間もなく朝登って来た書策新道に合流した。

戸沢出合の駐車場に着くと、川辺に張られたタープの方から魚を焼くおいしそうな匂いが漂ってきた。

コース

戸沢出合 7:55 - 8:50 本谷F5 - 9:10 沖ノ源次郎沢20m棚 - 13:05 赤岩 - 13:19 第一草原 -14:35 戸沢出合

マップ

Download file: 20190330okinogenjirou.gpx

GPSデータ