帯状疱疹で再び自粛生活に突入!

ふと蘇った痛みの記憶

新型コロナウィルス感染拡大防止の自粛期間が明けて久しぶりに山の仲間とクライミングジムに行った翌週、左の肩甲骨の下あたりが疼くような気がした。

その痛みの場所と疼き方から、古い知り合いに会ったような気持ちが湧いた。

激痛が走った粉瘤摘出手術

20年ほど前に背中に粉瘤ができ、当時根岸にあった日本赤十字病院に仕事の合間に立ち寄って診察を受けたところ、「これから手術して取り除きましょう」と言われそのまま粉瘤を切ってもらったことがある。

何の予備知識もなく軽い気持ちで、「手術なんて大げさな」と思いながら受けた施術。

診察室の長椅子にうつぶせになり、背中に麻酔注射を打たれ、麻酔が効き始めたところで切り始めたがその痛いこと痛いこと。

何度も麻酔注射を追加してもらい、そのたびに注射針が肩甲骨の下深くをぐりぐりとえぐりながら突き刺す感じ。

痛かったらこれを食いしばってと渡されたタオルを握りしめ、切られるのと注射を打たれるのとどちらが痛いのかわからないほどの激痛の末粉瘤の除去が終了。

生涯の中で初めて痛みで気を失う経験をした。

その手術痕は背中に盛り上がるように残り、強烈な痛覚が染みついているのかその後数年間はことあるごとその存在を主張するかのように疼いた。

懐かしい痛みと古い記憶

久しぶりにジムに行き週が明けた火曜日、左肩甲骨下がズキンと疼き手を当てると手術痕が指に触れ、ずいぶん前に治まった古傷の痛みを久しぶりに思い出した。

ジムではフェースやスラブなど普通の壁以外にも、隙間に手足を突っ込んで登るクラック登攀やチムニー登攀の練習もした。

チムニーでは、両足の足裏と膝や手のひらや背中を使い自分の体を突っ張りながら登るので、膝や腰に痣ができることもある。

きっと久しぶりにやったチムニーで背中を押し付けたせいで、盛り上がっている手術跡が押されて痛みだしたのだろうと思い気にも留めなかった。

翌水曜日になっても痛みは消えない、というよりもそれはより広範囲に広がりわき腹から腰に掛けてもピリピリとした痛みが広がり、どこが痛みの本体なのかわからない。

腹痛や筋肉痛のようにどこが痛いというのではなく、まるで高熱が出た時のように体毛を手のひらでサッと触れるとゾワゾワっとするような痛みと不快感の混ざったような感じだった、熱もないのに。

その晩、ふと気が付いた。

そういえば肩甲骨下から始まった痛みは、わき腹や腰に移動しているけれどそれは全部体の左側で右半身にはできていない。

もしかしたら帯状疱疹かも?

このピリピリとした痛みで高校生の頃に罹った帯状疱疹を思い出した。

痛みを伴う発疹が体の左右片側だけにできるという特徴を持つ帯状疱疹、治療が遅れると痛みを伴った後遺症やケロイド状の痕が残るやっかいな病気だ。

洗面所の鏡の前に向かい発疹がないかチェックしてみるが見た限りそれらしいものはないし、帯状疱疹にはすでに1度罹っているので思い過ごしかと思い就寝した。

かかりつけ医院で治療を受けることに

木曜の未明背中を走る激痛で目が覚める。

これまでは不快な鈍痛が左上半身を移動しているという感じだったのが、急に痛みが強くなってきた。

眠る姿勢では背中に負担がかかって痛いのでまだ暗いうちから起き出しパソコンを開いてたどり着いた 帯状疱疹.jp というサイトによると帯状疱疹に何度も罹るのはそれほど多くはないが稀というほどでもないらしく、発疹は痛みの後からできると書いてある。

サイト内の「帯状疱疹について相談できる病院を探す」というページで検索すると自宅近くにあるかかりつけ医院が登録されていたので、早速診察を受けることにした。

発疹が出てから3日間が勝負!

一刻も早く医者に診てもらいたかったが今日中に処理しなければいけない仕事があったのでとりあえず出社し、ひと段落してからパソコンを開くと木曜日の午後は休診になっていたので翌朝受診することにした。

金曜日の朝、幸い1番目の予約が取れたので出社前に医院に行く。

症状を話して背中を見てもらうと一目で典型的な帯状疱疹と診断が下り、抗ウィルス剤と鎮痛剤が処方されることになった。

処方された抗ウィルス剤と鎮痛剤

処方された抗ウィルス剤と鎮痛剤

前述のサイトには、“発疹(ほっしん)が出てから3日以内に薬を飲みはじめるとよい。”と書いてあったがギリギリセーフならいいのだが、、、

とりあえず、翌日から予定している山中で1泊する予定の沢登りには行けないことが確定したが。

治療に必要なことは、安静・体力回復・禁酒

翌日の沢登りに行けなくなることは大方予期していたが来週末にも泊りで沢登りに行く予定があり、こちらは何としても行きたいと思っているので、少しでも回復を早めるためにすることを尋ねた、

身体に残留した過去に罹った水疱瘡のウィルスが悪さをして発症するこの病気の治療法は、とにかくウィルスの活動を抑えることなので、ひたすら安静にして体力を回復させることが大事とのこと。

山に行ってはいけないのは、激しい運動により体力が消耗することでウィルスが活性化してしまうからで、同様に治るまでランニングなども控えた方が良いらしい。

また、飲酒は抗ウィルス剤の効果を減少させるらしい。

普段なら効果が減るくらいならちょっと飲んでしまおうと思ってしまうが、来週のことを考えると禁酒することに躊躇の余地はない。

とはいえ多少顔に出てしまったのか、お医者さんからは「ついこの前まで自粛生活が続いてやっと解けたばかりですけど、もう少し頑張りましょうね。」と慰めの言葉をかけられて診察室を出た。

まとめ

しかし、昨年秋の痛風に続いて今度は帯状疱疹に罹ってしまうとは。

帯状疱疹に罹る(しかも2度目)のは、疲労・加齢・ストレスなどによって抵抗力が下がった時にウィルスが活性化するからだそうだが、山に登り・朝走り・よく眠れて体力万全でストレスなどないと思っていたのに、やはり加齢か?

まずはウィルスを封じ込めて無事来週の山行に行けることを目指してよく食べ・良く寝て・酒を飲まず・運動をせず・体重計を気にしないで精進(?)しよう。

先ほどからちょっと熱が出てきた、この病気の症状とはいえこの時期の発熱はちょっとやっかいだな。