法行沢から椿丸を経て山神沢・悪沢(世附川水系)
8月14日 日帰り 人数:1人 形態:沢登り 交通手段:自家用車
猛暑の丹沢、涼しさを求めて沢歩き
穏やかな癒し系の法行沢
今年は新型コロナウィルスのお陰であまり山に登っていないが、秋に予定している滝谷ドームに向けて少し歩いておかないと不安だ。
月初の槍ヶ岳は体力的に余裕を持っていくことができたが、例年のように1日目に北穂山荘まで行かず涸沢でテント泊するとしても2日目の北穂南稜は槍沢を詰めるより遥かに急登で、その先にクライミングが控えているので山を歩いて体力を付けておきたいが夏の丹沢は暑い!
そういえば春先からの感染拡大防止自粛で機会を逸し、自粛が解ける6月に予定していた釜ノ沢は帯状疱疹が発症してしまい、今シーズンは一度も沢登りに行っていないし、今月末に予定しているナルミズ沢遡行前に一度は沢に行っておきたいとも思っていたので、沢登りに行くことにした。
とはいえ、お盆の連休でみな遠くの山に行っているようで一緒に行くメンバーが見つかりそうもない、となると目的の沢は1人で歩ける穏やかな癒し系の法行沢、そして下山は何回か下っている山神沢から悪沢を経て世附川へのルートにしよう。
快晴の世附ゲートから出発
7:30過ぎに世附に着くとすでにたくさんの車が停まっていて、先行車が諦めて手前の駐車場に引き返そうとUターンをするのに続こうとしてふと見ると目の前に1台分の空きスペースを発見、なんとかゲート前に車を停めることができた。
準備を済ませて見上げると空は快晴、今日も暑くなりそうだ。
浅瀬橋から歩くこと約1時間半、大又沢林道から法行沢林道を登った先にある中法行沢橋から右岸側から下り法行沢に入渓し流れに足を入れると冷たい水の感触が心地よい。
やがて少し深い釜がある滝が現れるが、流れの右から取り付くと豊富なホールドとスタンスがあり容易に越えることができた。
小滝を越えるとやがて辺り一面緑に覆われたミニゴルジュ、まるで別世界にきたようだ。
ミニゴルジュの先にもナメや小さな滝続くが、いずれの滝も手掛かり足掛かりが豊富で危なげなく越えていける。
5月にユーシンから寄に抜ける際、雨山沢のナメが昨秋の台風被害によるのか土砂に埋まってしまっているのを見て気がかりだったが、法行沢のナメが無事なのを確認できてなによりだった。
更に進むと見えてきたのは今までの滝より少し高く深そうな釜があり、取り付くのが難しそうだ。
滝の左側の岩の間から水が噴き出しているのが見える、この滝が「丹沢の谷200ルート」に載っている湧水がある滝だ。
もう少し先だと思っていたが、気圧が変わり高度計が実際より低い標高を指していたらしい。
水を飲んで小休止したあと、ルート図にあったとおり湧水の上のバンドを使って高巻いた。
湧水のすぐ上の滝は取り付けば登れそうだが、釜が深くて近づけない。
左岸側から高巻こうと3mほど登るがあと少しの所が危うく、どうしたものかと見回していると右岸側のさっき高巻いたバンドの続きに踏み跡らしいものが見え、そちらから高巻くことができた。
結局法行沢で高巻いたのはこの2か所だけで、あとは直登というほどでもなく小さい滝を越えながら遡行する穏やかな沢だ。
途中ひとつ前の支沢に入ってしまい戻る羽目になったが、本流を遡行して堰堤が見えてきたら左の沢に折れて装備解除し、尾根の登り易そうな所を上がれば織戸峠に到着ということになる。
椿丸から下山
遡行図通りに詰め上げた所は、私が織戸峠だと認識していたところより菰釣山寄りでそこからもう少し椿丸寄りの鞍部に誰かが置いた「織戸峠」という名板があったが、以前ここから富士見峠に下った時も菰釣山寄りの鞍部から道を分けて行ったので、多分そちらが正しいのだろう。
とりあえず山神沢から下るため椿丸に向かい、誰もいない椿丸山頂で行動食を摂ろうかと思ったが雲行きが怪しくなりそうだったのでそのまま踵を返して山神峠に向かった。
椿丸から菰釣山に向かう径路から水の木に至る尾根をいくとアンテナの残骸がころがっている、山神峠に下る目印は健在(?)だ。
合わせたコンパスの磁方位を確認しながら急坂を下るとやがて傾いだ山神様の祠の屋根が見え山神峠に到着。
山神峠から倒木が重なり合うぐずぐずの斜面を下り、山神沢の沢床に着き歩いていると鮮やかな色のキツネノカミソリが咲いていた。
山神沢と悪沢が出合い取水塔までくると靴を濡らさずに歩き続けるのが難しくなり、沢靴に履き替えようか迷うがそのままアプローチシューズで水に入ることにした。
防水の無いTXガイドは沢に踏み込むとあっという間に水がしみ込むが、水の通りが良いので足を上げてもシューズが脱げそうにもならずそのまま足にフィットしていて歩き易く、さすがに苔の上ではフェルト底には比べようもないが、濡れているだけの岩には十分なフリクションが効いて歩き易く、乾いた岩のヘツリの歩き易さは沢靴とは比べ物にならない。
一面にサラサラと水を流すきれいな滝が左に見えてくると悪沢は間もなく世附川に合流だ。
大滝を左に見て通り過ぎるとそろそろ世附川に着き足元が不安定な沢から解放されるのではないかとの期待に、目が自然に曲がり角の先を追う。
すると遠くに見えてきた人工物、悪沢が世附川に注ぐシンボルの赤い巨大なスリットダムが見えるはずだったのに、昨秋の台風で押し流された大量の土砂と倒木に埋まったスリットダムは思いのほか低く見えたが、世附川に出て振り返るとやはり巨大だった。
対岸を見上げると、ちょっと前に災害復旧工事が終わったばかりの浅瀬から水の木に向かう林道が再び大崩落していたので、河原を歩き芦名橋から林道に上がって駐車スペースへ戻った。
コース情報
浅瀬駐車スペース7:43~9:34中法行沢橋~12:04織戸峠~12:34椿丸~13:35山神峠~14:28取水塔~15:0きれいな滝~15:14世附川~15:55浅瀬駐車スペース