アマチュア無線局の開局申請から開局まで

登山の安全確保をきっかけに無線を始めることに、、、

単独登山が多い自分としては、必ず登山計画書を作り、遭難したときの捜索費用の足しになるようにjROに加入し、捜索が捗るようにココヘリにも加入して万一に備えている。

そんな折、知り合いが山で事故に遭ったときにパーティーのメンバーが携帯電話の圏内まで下山して救援要請をして救助されたという話を聞き、ずいぶん前にアマチュア無線の免許を取ったことを思い出し万一携帯が通じない山中で事故が起きた時に備えて無線機を持つことにした。

アマチュア無線の免許は一生もの

免許をとったのは中学生の頃で、まずはセパレート式の無線機の受信機を買って家の屋根にアンテナを立てて飛んでくる電波をワッチ(傍受)しながら、小遣いが溜まったら送信機を買おうと思っているうちに台風でアンテナが倒れ、そのまま開局もせず今日に至っているので無線の知識はもうゼロに等しくなっている。

自動車でいえばペーパードライバーだが、数年ごとに書き換えが必要な自動車の運転免許と違い、一度取ったアマチュア無線の免許は書き換えることなく一生有効なので、再度免許を取り直す必要はない。

無線を使うために必要な開局手続き

私が持っているアマチュア無線の免許は、電話級アマチュア無線技士免許(現在の第4級アマチュア無線技士免許)というアマチュア無線のなかでも一番取得しやすい資格で、第4級から第1級まであるこの免許は無線業務に従事するための資格で、“従免”とも言われている。

この従免は生涯有効だが、総務省に無線局の開局申請をして「無線局免許状」通称“局免”が交付され識別信号(コールサイン)を取得してからでないと電波を出して無線を運用することができず、この局免は5年ごとに書き換える必要があり、書き換えをしないでいるとコールサインが無効になる。

局免申請は手軽なオンライン手続きで

無線局の免許状申請は書類で行うと手数料が4,300円かかるが、「総務省 電波利用 電子申請・届け出システム Lite」を使用してオンラインで行えば2,900円で済むというので迷わず安くて早そうなオンラインで申請することにする。

Lite

Liteのトップページ

無線局免許申請フォームには運用する無線機に総務省から与えられた技術基準適合番号を記入する欄があるので、申請前に無線機を購入しなければいけないが、初めてこのオンラインシステムを利用するには、利用者登録をしたあとに郵送で送られてくるユーザーIDとパスワードが届いてからになるので、先にLiteの利用者登録をしておいてIDが届くまでの間に無線機を購入することにした。

アウトドア向きの雨に強そうな無線機を購入

少しでも荷物を軽くしたい登山に持って行く以上万一の時に備えて防水バックに入れてザックに入れておくのではもったいない、せっかくなら山行中に無線を運用してアマチュア無線本来の楽しみをしたいので雨に強く頑丈な無線機を選んだ結果、スタンダードのVX-6という水深1mの水没に30分耐える防水性のある144MHZ・430MHZデュアルFMハンディをCQオームという店の通販サイトで6日に購入手続きをしたら8日に届いた。VX-6

通販サイトの早さに比べ、さすがに総務省のシステムはお役所らしく11日になってやっとIDとパスワードがハガキで到着したが、Liteで申請をすると申請後のステータスが、“審査中”から“手数料納付待”になったので納付すると再び“審査中”になってから“審査終了”になるまで数日待たされた。

他の人のブログではステータスが“審査終了”になってから大方3日後に局免が送られてきているようだったが、局免受理方法を送料受取人払いに指定すると配送業者から事前にかかってくるという電話が無いのでまだかと思いながら外出先から帰宅すると、電話がかかってこないまま局免が届いていたのが審査終了から丁度3日目だった。


開局申請からコールサイン取得までにかかった日数

9月6日 「総務省 電波利用 電子申請・届け出システム Lite」のサイトからユーザーID発行申請をする。

9月11日 LiteのユーザーIDとパスワードがハガキで送られてきて、Liteで開局申請をする。

9月27日 無線局関連申請手数料(2,900円)納付依頼→職場近くの郵便局からペイジーで即日納付する。

10月2日 審査終了

10月5日 無線局免許状到着(送料受取人払い郵便)


Liteでの申請をしてから局免が届くまでほぼ1ヶ月、かつては局免の申請から交付まで半年かかったのと比べるとずいぶん短縮されたようにも見えるが、アマチュア無線がキングオブホビ―と言われていたころの申請数と昨今の申請数を比べ、加えてネットを介した手続きを行っている現在にしては時間がかかりすぎではないかと思う。

コールサインを手にして

やっと手にした無線局免許状の右上に「識別信号」という欄があった、ここに書かれているJJ1ULNが私の局のコールサインになる。

さっそくアマチュア無線用に、jj1@glass.2-d.jp というメールアドレスを作った。

局免が送られてきたときについていた送付状には、免許状は常置場所に備え付けておくようにと書かれていて無線運用時に携帯しなくてもよく、移動無線機に貼り付けるシール式の免許証票も平成30年3月1日に廃止されたとある。局免送付状

どんどん物事が簡素化されてきて私が従免を取ったときに無線局に備え付けてあったログや電波法抄本もいまは備え付け義務がないそうで、肩透かしを食ったような気がした。

電波法令集を備え付けずに無線局を運用することに違和感を感じたが、そういえば走り回っている自動車で道交法の法令集を備え付けている車は皆無だろうと思った。

これで、法的にはいつでも電波を発信できるようになったが、まだ自分のコールサインをフォネティックコードを使ってコールすることもままならいしQ符号もほとんど覚えていず、QSLカードを求められたらどうしていいかもわからない状態なので、しばらくワッチしながら様子を見ようと思っている。

そういえばSOTAって面白そう!