北丹沢 酷暑の中、絵瀬尾根から地蔵尾根周回

2017年8月6日 天気:曇りのち晴れ 日帰り 単独 形態:周回 交通手段:自家用車 アプローチ:日蔭沢橋近くの駐車スペース

絵瀬尾根は、主に伊勢沢を詰めた後の下山に沢屋さんに使用される尾根だが支尾根が多く、ここを下れたら地図読みの免許皆伝と言われるほど難しい。もちろん私が単独で無事に下れるとは思えないので、まずは登って見ようと思いやってきた。

さぁ日蔭沢橋から出発

車を日蔭沢橋手前の駐車スペースに停めて準備を整え出発、隣に停まった車から降り前を歩いていた人はヤタ尾根取り付きを登って行った、背負子で背負ったたくさんの野菜が入ったダンボールを青ヶ岳山荘に荷揚げするらしい。

日蔭沢橋手前に車を止めて出発

日蔭沢橋手前に車を止めて出発

絵瀬尾根への取り付き

絵瀬尾根取り付きへの降下点を探しながら林道を歩いているうちに、以前曲橋辺りに自転車がデポしてあるのを見かけたことを思い出し、もしかしてそこから下れるかも知れないと覗き込むと急傾斜ながら踏み跡があるのを見つけて下ったが、伊勢沢出合の上流にある堰堤の上に出るつもりが、堰堤の下に降りてしまった。

絵瀬尾根取り付きへの降下点を探しながら林道を歩いているうちに、以前曲橋辺りに自転車がデポしてあるのを見かけたことを思い出し、もしかしてそこから下れるかも知れないと覗き込むと急傾斜ながら踏み跡があるのを見つけて下ったが、伊勢沢出合の上流にある堰堤の上に出るつもりが、堰堤の下に降りてしまった。

曲橋あたりの踏み跡から神之川に下降

おっと、あの堰堤の向こうに降りたかったのに~

おっと、あの堰堤の向こうに降りたかったのに~

仕方なく河原に降り靴を脱いで神之川を渡渉し、伊勢沢の出合を石伝いに渡り神之川左岸から堰堤の上に登り堰堤を渡ったところから踏み跡を辿り尾根に取り付いて木の根っこや草など手当たり次第に掴み急登を登る。

堰堤の上の踏み跡

堰堤の上には絵瀬尾根に登るはっきりした踏み跡がある

一番頼りになるのがしっかりと根を張った木の根っこだ、岩は下手に掴むとグラっと落ちてきたり表面がボロボロ剥がれたりして当てにならない。出来るだけ尾根の真ん中を登ろうとするがやがて行き詰まり、伊勢沢沿いに回り込むように辿ると沢を見下ろすような急斜面を横切る方向に行かざるを得なくなった。

土の急斜面は足元が崩れたら沢に転げ落ちそうで怖い、戻ろうか進もうかと逡巡しながら周りを見ると行く手にしっかり根を張った大木が見えた。

よし、あの木まで行ければその先は傾斜が緩くなっているから行けそうだ、辿り着いた木に腕をかけ体を持ち上げると案の定その先は傾斜がぐっと緩くなり2足歩行で歩くことができるようになった。

二本足で立てるところまできてひと

2本足で立てるところまできてひと安心

誰もいない山の中の急傾斜でぶら下がるように木につかまりながらルートを探していると、こんな天気が良いのどかな休日の早朝からたった1人きり山奥で自分は一体何をやっているんだと思うことがある。でも、1人でないと味わえない楽しみがあるから止められない。

絵瀬尾根を登る

一旦尾根に乗るとぐっと歩きやすくなるが、ここは支尾根に迷い込まずに下るのは困難と言われている絵瀬尾根、登りながら何度か振り返るが尾根が広いところではなるほど自分がどこから歩いてきたかすでにわからなくなりそうだ。

振り返るとすでに自分がどっちから来たのかわからない?

振り返るとすでに自分がどっちから来たのかわからない?

それだけに地蔵尾根のような切り立ったヤセ尾根がないので、登る分には安心して歩けるが。

地蔵尾根と合流し地蔵岳(地蔵ノ頭)へ

登りながら上を見上げると蛭ヶ岳の山頂に重くかかった雲が暑苦しく見える。地蔵尾根のようなナイフリッジがない代わりに絵瀬尾根はあまり風が通らずサウナの中を歩いているようだ、まぁこの時期に藪歩きをすればこうなると結果は目に見えていたが。

大汗を掻きながら登り続けると右手から合流してくる地蔵尾根が見えてきた、時計を確認すると登り始めてから2時間半近く経っていた。地蔵尾根との合流点に向かって急になる傾斜を避け、適当な所でザレ場をトラバースして地蔵尾根に乗り換え最後の急登をひと登りすると地蔵岳に着いた。

右から伸びてくる地蔵尾根に適当なところを見つけて乗り換える

右から伸びてくる地蔵尾根に適当なところを見つけて乗り換えると間もなく地蔵の頭に到着

地蔵の頭

地蔵の頭

地蔵尾根から下山

今日の目的である絵瀬尾根探索完了、絵瀬尾根を登ってからさぁどうしようかと思ったが、ただでさえ暑いこの8月に蛭ヶ岳を越えて源蔵尾根を下る気にはならず、かと言って風巻ノ頭から下るのもつまらないので当初の予定通り何度か登って勝手がわかっている地蔵尾根を下ることにした、山と高原地図には下りは危ないと記載されているので気をつけて降りることにしよう。

立ったままで持ってきたペットボトルのお茶を飲みパンをちょっと食べてから下山開始、地蔵尾根は絵瀬尾根と違い緊張を強いられるヤセ尾根がある代わり迷う危険は少ないだろうと思い油断していたせいか、どこでどう間違えたのか120m程下った所で道が無くなってしまい、地図を確認すると左に行くべきところを右の支尾根に入りかけてしまったらしい。幸いまだ両方の尾根の間隔が開いていなかったのでそのままトラバースして尾根を乗り換えたが、うっすらと踏み跡があったので私と同じようにここで間違いに気づいて方向修正する人が多いのだろう。

剣ヶ峰を通り過ぎ、一旦尾根の中心から北側に降りトラバースする巻道からルートから外れた谷の下の方にピンクテープが見えた。今までは登りでしかここを通ったことがなくいつも上を見ていたので気づかなかったが、この尾根を初めて通る人が下りで使ってピンクテープに誘われたらとんでもない所に行ってしまうかも知れない。山の中のテープは色々な人が色々な目的のために付けているものであり、登山者のために付けられたものなどと都合よく考えてはいけないと改めて思った。

剣ヶ峰

剣ヶ峰の剣は思いのほか小さい^^;

馬酔木平からの下り

林業華やかなりし頃を偲ばせるワイヤー広場を通り馬酔木平を過ぎ、トラロープやビニールで被覆された電線が張られているのを目印に尾根から外れて岩水沢出合に向かい下り始める。

岩水沢出合から登るときには、歩きやすいところを選んで這いつくばりながらひたすら上を目指せば済んだが、下るとなるとそうは行かない。幸いここには前述のトラロープや被覆電線など無数のお助けロープ(下りで体重をかけるにはとてもじゃないけれど心許ないが)があるので、それを目印にしながら木から木へとすがりつきながら下った。足元の石は脆く細心注意を払っていても時折転げ落ちてしまうが、元々人があまり歩かないルートだしこの時刻にここを登る人はほぼ皆無なのが幸いだ。岩水沢出合へ降りる数mは垂壁のようになっているが、ありがたいことにそこにあるお助けロープは前回来たときより新しいしっかりしたものが取り付けられていたので、万一お助けロープがないときの用心に持ってきた自分のロープは使わずに済んだ。

岩水沢出合が見えてきた

岩水沢出合が見えてきた

地蔵尾根とりつき

下から見た地蔵尾根とりつき

河原から林道へ

岩水沢出合に降り立ち、その名の通り広~い広河原を神之川林道に向かって歩く。いつもは河原から直接林道に上がるのだが、第一堰堤を登ってから林道に上がるルートを確認したいと思い、藪を漕いで堰堤に向かい取り付けられたハシゴで上に出るが堰堤を渡った先はびっしりと密集したヤブに阻まれて林道に上がる踏み跡が見つからない。第三堰堤の上まで行けば源蔵尾根取り付きから林道に上がれるので、堰堤の上を右岸に戻り第二堰堤を目指すが激ヤブの中うっすらとした踏み跡だかけもの道だかわからない痕跡を追うのをあきらめ再び広河原に戻り、新ルートの開拓はヤブが薄くなった時期に先送りすることとし、結局いつも通りのルートで林道へ上がって駐車スペースに向かった。

広ーい広河原

広ーい広河原

今回歩いたルート

コースタイム

日蔭沢橋7:26 ー 7:32ヤタ尾根登山口 ー 10:50地蔵岳 ー12:20馬酔木平 ー 12:50岩水沢出合 ー 14:25日蔭沢橋

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GPSデータ