転びも足を捻りもしなかったのに下山した翌日から足が猛烈に痛みだしたのが、実は痛風の発作かも知れない件について
2泊3日の北アルプス登山から戻った翌日から足が痛み始め、、、
先日、上高地から涸沢経由で北穂高岳から奥穂高岳を経て前穂高岳から岳沢小屋に下るルートを、途中で滝谷ドームを登攀して2泊3日の行程で歩いてきた。私にとっては久しぶりに重い荷を背負ってのロングコースだったが、途中でへばることもなく余力を残して快適に山行を終えたつもりだったが、、、
10年間以上に及んで高尿酸値を維持していながら痛風を発症したことがなかった自分が、下山後足首に酷い痛みを覚え捻挫だとばかり思って接骨院で治療を受けたというエントリーを書いている途中で、実は初めての痛風の発作が起きたかもしれないと知ったという記録をここに書いておきます。
ただの捻挫だとばかり思って書き始め、反省してまとめた後に痛風の可能性が有力になりましたが、“反省”した内容はその通りなので残し、“まとめ”の後ろに追記しました。
痛風発作は、足の親指の付け根が痛むとは限らないし、捻挫をきっかけに起きることがあるんですね、、、この記事、治療の進み具合によってはまだ追記するかも知れません。
下山翌日(8月5日)
朝起きると、案の定両足の大腿四頭筋に鈍い筋肉痛を感じていたので、さすがに朝ランは諦めて走るのは翌朝以降にした。このとき、左足首辺りにも軽い痛みを感じたが、すぐに引くだろうと思い気にも留めていなかった。
そういえば夜中にトイレに起きたとき不用意にドスンと足を着いたら足首に尖った痛みを感じたような気がしたが、布団から出て歩いているうちにすぐ痛みはなくなった。
通勤時も特に足首の痛みがひどくなることもなく、その後も継続的に足を使っているときには痛みを感じることがなかったが、デスクワークをしていたり足に負荷がかかっていない状態から立ち上がると痛みを感じた。
帰宅時には歩き始めは少し痛むが、歩いているうちに気にならないほどに痛みは和らいだ。
下山2日目(8月6日)
前夜から太腿の筋肉痛はだいぶ軽くなっていたので翌朝は朝ランができるかと期待して就寝したが、夜中に喉が渇いて洗面所に行こうと立ち上がったとき左足首に強い痛みを感じたので、接骨院に行って診てもらった方が良さそうだと思い、出勤前に近所にある接骨院の診察時間を確認する。
日中は仕事をしていると足首の痛みはほとんど気にならなくなり、デスクワークから立ち上がっても全く痛みを感じなくなる。
夕方外出して歩き回っても痛みが出ないので、もう少し様子を見ようと接骨院には寄らずに帰宅する。
下山3日目(8月7日)
夜中に暑さで目が覚め、水を飲むために立ち上がろうとすると左足首に激痛が走り、洗面所に向かう際に掴り立ちしながら激痛に耐えなければならなかった。
歩き慣れれば痛みも緩和できるかと思い、早めに起床したついでに家の中をソロソロと歩いてみるが、前日までのように痛みが消えることもなく却って痛みが増してきたので出社前に接骨院へ寄ることにする。
今回の登山中には1度も転んだり足を捻ったりしていないし、痛み始めてからこれまで何度も痛みが全く感じられないほど消えているので、骨折の可能性は無いと思ったが、ギブスを着けられた場合に備えてサンダルを持って診察開始30分前に接骨院に向かうと幸い空いていて、私のほかに1人待合室にいるだけだった。
診察
2泊3日の登山から戻った翌日から足の痛みが始まったこと、登山中に転倒や足を挫くようなことは1度も無かったことを伝えてから診察が始まった。
私の足の痛みを感じるところは、左足の甲から脚につながる手前の窪んだところと左足くるぶしすぐ後ろの窪みで、くるぶしの骨の部分などをいくら叩いたり摘まんだりされても痛みは感じなかった。
どこを触れると痛みを感じるかしばらく探った結果、院長から告げられたのは比較的軽度の捻挫ということだった。
半ば予想していたとはいえ骨折でなくて良かったと思ったが、以前足首を捻挫した山仲間で完治するまでに骨折以上の期間を要した人もいるので楽観はできず、治療に要する期間を尋ねたら10日前後と言われ少しホッとした。
このお盆休みは大人しくしていなければいけないが、夏山シーズン全部をフイにしないで済みそうだ。
治療
冷却・固定・湿布
損傷した靭帯が回復するまでできるだけ動かさないように固定することになったが、ギブスを使うまでのことはないということで、テーピングをした上で湿布を当てることになった。
まず、冷風が吹き抜けるパットで患部を包んで20分ほどクーリングをしてからテーピングで足首を固定し、湿布をして今日の措置は終了。
院長から傷めた靭帯を伸ばさないように気をつけながら、他の部位をできるだけ動かすこと。腕立て伏せや腹筋など患部以外を鍛えることで回復が早まるとのアドバイスを受けた後、2日分の湿布を受け取り明後日受診するように言われて接骨院を後にした。
食べ物
足の痛みが捻挫だと確定し、治療に要するのは10日強だと分かったが、少しでも順調に回復したいと思い、損傷した靭帯の回復に良い食べ物を調べると、良質のたんぱく質とビタミンCだとのこと。早速仕事帰りに鶏の胸肉とブロッコリーを買って帰り、胸肉のソテーにブロッコリーを付け合わせに夕食を摂る。
鶏肉もブロッコリーも好物で足が痛くても食は進む、ただし完治するまではジョギングもできず歩くことも少なくなり運動量が激減するので、気を抜くと体重が増えすぎる危険がある、食べ過ぎないように気をつけようと思う。
飲み物(酒について)
具合が悪くなって医者に診てもらうときに必ず晩酌をしても大丈夫か尋ねるが、今回は聞き忘れてしまった。
聞かないまでも炎症を起こしているうちに酒を飲んだら良くないだろうとは思ったが、下山後2日間いつも通り晩酌していて何ともなかったので3日目も同様に飲んで寝たら、夜中に足の痛みで目が覚め水を飲みに洗面所へ行くのもままならず、座っているだけで足が疼く耐え難い痛みに襲われ、起こした家内に包帯を巻きなおして湿布を当ててもらい、ロキソニンを飲んでからもしばらく痛みに耐えながらやっと眠りについたが、朝目が覚めるとそんなことは嘘のように痛みが無くなっていたので、きっと晩酌が原因なのだろうと思い、ここ数年風邪で高熱を出した時以外切らせたことのない晩酌を、この治療が終わるまで止めておこうと思う。
捻挫の原因
それにしても、転んでもいない、足を捻ってもいないのに捻挫になるとは腑に落ちない、、、なぜこんな目に遭ってしまったのか疑問だったが、接骨院で院長の話を聞いて納得した。
靭帯が損傷することによって捻挫という状態に陥るが、いわゆる足を挫いたり転んで手を突いたりという激しい動きばかりが靭帯を損傷させるわけではなく、繰り返し強い負荷がかかることによっても靭帯が必要以上に伸ばされ損傷を受けることになり、私の場合はまさにこのケースに当てはまったそうだ。
具体的には、足元が平らでないところを歩いていてバランスを崩した体勢を元に戻そうと踏ん張ると靭帯に負荷がかかり、これを長時間何度も繰り返すことで靭帯損傷に至るという。
そう言われてみれば、2日目の北穂高岳から奥穂高岳への縦走路は行程のほとんどが急峻な岩稜帯でバランスを取りながらの岩場移動、3日目は前半に前日同様の岩稜帯を歩いた後、前穂高岳からは段差が激しい急降下を下るルートだった。そのうえ今回の登山目的が北穂高岳隣の滝谷ドームを登攀するというもので小屋泊まりにも関わらずクライミングロープやガチャやなにかで15㎏を優に超える荷物に加え、暑さの不安からプラティパス一杯の水を背負っていた。
反省点
同じルートを同じような重さの荷物を背負って歩いている人が大勢いるはずで、そのなかで今回の私のように足を傷める人はごく少数だと思うが、なぜ今回足を傷めてしまったのか、どうすれば防げるのかを考えてみた。
反省1 脚力不足
普段からジョギングをしている私は登りには比較的強く、周りの人が息が上がって苦しそうに歩いていているのを横目に淡々と登りきることができたりする。だが、「登山は登り心肺下り筋力」と言われるように、最近重い荷物を背負って長時間歩くような山行をしていず脚力(筋力)が不足気味で、脚力が不足すると下りの段差でゆっくりと体重移動ができず、どかどかと踏み出した足に過分な負担をかけながら下ることになる、これが第一の原因ではないかと思う。
反省2 バランス
踏み出した足が着地した際に鉛直荷重がかけられれば安定し易いが、足を上げた時点でバランスがうまく取れていないと足を降ろす位置もいい加減になり、その結果荷重が偏った状態で足に体重をかけてしまい、そのバランスをとるために足を踏ん張ると靭帯に大きな負担をかけてしまうことになる。これは、自分自身のバランス能力に加えザックの中がきちんとパッキングされていない場合もバランスへの影響が考えられる。
反省3 下山後の温泉で追い討ち
これは、接骨院で聞くまで予想していなかったのだが、登山中には少なからず靭帯に負担がかかるものなので下山直後は傷んだ靭帯をクーリングして炎症を収める必要があり、熱い温泉につかって温め過ぎることは避けた方が良いらしいが、下山後上高地からタクシーで車を停めていた沢渡に戻るや焼岳を源泉とする源泉かけ流しの熱々の風呂に入り、「気持ちいい~」なんて言って喜んでいた。
下山後に温泉で汗を流すのは気持ち良いもので、普段の山行でも機会があれば温泉に立ち寄っているが、これからは入り方に気をつけようと思う。
まとめ
私と同じようにクライミングをやっている山仲間から、クライミングの練習が中心になると歩く機会が少なくなって脚力が衰えないか心配になるという話をよく聞くことがある。それでも彼らの多くは、遠方へテン泊でクライミングをしに行き、そこそこの重さのザックを担いで長時間歩いたりしているが、私はクライミング以外はヤブ歩きをメインにしているので一人で山に入るときはできるだけ荷物を軽くして日帰りで低山を歩き回ることが多い。
今後は心肺能力を上げる効果が高い日課のジョギングメニューに筋力をつける走り方を加えて取り入れ、心肺力と脚力をバランスよく育てながら、歩荷など足腰を強化するトレーニングも心がけようと思う。
診察(下山後6日目・8月10日)=8月12日追記=
足の痛みが引かないので、出勤前に接骨院に立ち寄る。
下山後3日目の診察を受けた翌日は前夜に飲酒の影響(?)で足が腫れたが、朝には痛みも消え順調に回復しているかに見えたが、下山後5日目の診察を受けた午後から足の痛み方が変わり右足を着いて左足を上げる際つま先を上げようとすると足の甲に激痛が走るようになり、朝の診察時にできたつま先を押さえて足を上に上げる動作が全くできなくなったこと左足が異常に腫れはじめたことを伝えて患部を見せると、腫れ方に内科的要因がありそうで痛風かも知れないと院長から言われる。
痛風というのは親指の付け根が痛むとばかり思っていたので全く想像もしていなかったが、10年以上前から定期健康診断や人間ドックで高尿酸値を指摘され、再検査を受けるたびに経過観察という診断が下っていたがついに痛風の発作が起きるに至ったのか、、、
捻挫がきっかけで痛風の発作が惹起された可能性がでてきたが、痛風となると接骨院で診ることはできないということで、その場でお盆前の土曜日である今日診察してくれる整形外科医院を手配して紹介状を書いてもらい、更にそれじゃ整形外科に行くにも痛くて歩きにくいだろうとグリップと腕を支える輪っかがついているロフストランドクラッチという杖を貸していただき大変助かった。
整形外科医院にて
紹介された整形外科医院は偶然にも私の勤めの近所にありこれから通うにも都合がよさそう、そして接骨院の院長が紹介状を書きながら言っていたとおり患者の話によく耳を傾け時間をかけて診察に当たってくれる医者だった。
問診を受けた後でレントゲン撮影と採血を行い、レントゲンを見た限りでは骨に異常は全くないのでこれまで定期健康診断や人間ドックで指摘されていた尿酸値の高さからして痛風の可能性が高いが、盆休みがからんで翌週までかかる血液検査の結果を確認してから最終的な診断が下されることになった。
いずれにしても痛風の発作が起きている間は痛風予防の薬を投与することはできないそうで、炎症を抑える薬をするのでそれを5日も飲めば炎症が治まるだろうが、痛みが酷くなった時にはロキソニンなどの鎮痛剤をを頓服に飲むようにと言われ病院を後にした。
医師から指摘された痛風予防=尿酸値を低下させる ための日常の心がけは
- 身体(尿)をアルカリ性に保つために野菜を積極的に摂取する
- 水を1日2ℓ以上飲み、尿をたくさん排出する。(汗で出しても尿酸値は下がらない)
- 運動を心がける
というものだったので、足が痛くてもできる1と2にはすぐに取り組もうと思った。
8月16日に出る採血検査の結果が出るまで確かなことはわからないが、腫れと痛みが治まって走ったり登ったりできるようになる日が待ち遠しい。