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世附~椿丸~菰釣山~シキリ尾根~地蔵平~世附(西丹沢・北丹沢)

2019年11月30日 日程:日帰り 人数:単独 形態:周回 交通手段:自家用車 アプローチ:浅瀬ゲート近くのスペースに駐車 

9月から11月半ばにかけ土日が塞がっていて、11月もこのままでいくと4日に行った大楠山だけになってしまうと思っていたら月末に休みが取れ、台風15号と19号の影響で通行不能になっていたりアプローチが悪くなっている道志や裏丹沢を避け世附から菰釣山に登って来ることにした。

浅瀬駐車スペースに車を停めて出発

何度か世附から椿丸経由で大栂まで行って折り返し富士見峠から下ったことはあるが菰釣山まで行ったことはないので、日の短い時期でもあり菰釣山に11時半までに到着できないようなら富士見峠経由で戻るつもりで浅瀬の駐車スペースに向かう。

珍しく車が一台も停まっていない駐車スペースで準備をしている途中あとから1台だけ車がやって来たので乗っていた単独の人に挨拶をすると、法行沢に行くとのこと。

釣りをしないのでよくわからないがもう漁期が過ぎているのか、いつも早朝からいる漁協の人が不在の番小屋の前を通り浅瀬橋を渡った。

朝日に輝く山に向かってスタート

椿丸

橋を渡った先の二俣を左に進んだすぐ先のカーブミラー前が椿丸への取り付き、大雨や台風で取れたのか誰かが外したのかいつも目にする目印のピンクテープが無くなっていたので、ここが登山口だと知らなければ通り過ぎてしまいそうな急斜面から登り始める。

出だしは「ここ登るの?」という感じの登山口から、、、

早朝のなまった身体にはキツイいきなりの急登、まだ足になじみ切っていない革の重登山靴ということもあり斜面を捉え切れず不格好な登り方をしながら5~6分登り続けて体が暖まった頃尾根は傾斜を緩めた。

不老山の向こうから登る朝日が背中に当たり汗ばんできたのでジャケットを脱ぎ、気温を確認すると0.2℃だった。

世附から椿丸に向かうルートはいくつもピークを越えて何度も尾根の乗り換えがあり、いかにも歩き易そうななだらかで広い尾根に誘い込まれかねず、初めて来たときには初っ端からP780を西に下りそうになったりした。

こんな風にルートを外れてしまった!

それ以来、次の屈曲ポイントの磁方位をコンパスにセットし標高を確認することを心がけているが、それでも時々あれっと思うことがある。

今回は地図上では緩やかな登りのはずなのに途中で下り始めたので場所を勘違いしたのかと思ってGPSを確認すると間違っていず、地図の等高線に現れない10ⅿ以下のアップダウンだと知った。

ここしか進めないという痩せ尾根や岩稜帯歩きと違い、歩き易そうななだらかな広い尾根が交錯している低山歩きならではの醍醐味がここにあるように思う。

地図に現れない鞍部を過ぎると間もなく椿丸の山頂に着いた。

いつも静かな椿丸

椿丸には手製の山名標が木に巻き付けられていたり落ちて下に置いてあったりその時によってまちまちだが、今回山名標は見当たらなかった。

小腹が空いたが昼食にはまだ早かったし先を急いでいたので、歩きながらスニッカーズを食べてエネルギー補給しながら先に進む。

椿丸から織戸峠を通り菰釣山

椿丸北側の明るい植林地帯の上は日当たりが良く、今日のように風が穏やかで晴れている日はここで昼寝をしたらどんなに気持ちよいだろうと思うが、後ろ髪をひかれる思いで通り過ぎた。

去年の夏織戸沢を詰めて椿丸に来た時には斜面をトラバース気味に来たが、こちらから織戸峠に向かうには鹿柵沿いに行った方が歩き易いと思いながら菰釣山を正面にして歩いていたらいつの間にか行き過ぎて隣の尾根に乗りそうになって慌てて戻った。

織戸峠には可愛いクマ?のイラストが添えられた手書きの標識がかけられていたが違和感を感じた、以前あったかまぼこの板みたいなのに文字だけがかかれていたものの方が、ここの雰囲気には合うような気がする。

そういえばもう1か所同じようなイラスト入りの山名標みたいなものを今回見た気がするが、忘れた。

織戸峠から菰釣山に向かって緩急交えた登りが続き若干ペースダウンすると同時に帰りが気になり大栂で引き返そうかと思い始めたが、標高1,200ⅿ前後で地面が残雪で白くなってくると心なしか足が軽くなってきた。

いくつになっても雪を見ると元気が湧いてくる、、、そうじゃない人もいるかも知れないけれど。

世附から菰釣山に登るのは初めてだが菰釣山から大栂を往復したことはあり、その時は夏の真っ盛りということもあり下りは激ヤブがクッションになり楽だったけれど、ヤブに押し戻されながらの登り返しにヘトヘトになった記憶があったが、大栂を過ぎても激ヤブどころかヤブそのものが見当たらず肩透かしを受けたようであっさり菰釣山三角点にたどり着いた。

三角点から少し歩くと山頂のソーラーパネルが見え始め、やがて菰釣山に到着。

2つあるベンチのうち1つは一面に雪をかぶっていたが、もう1つは雪が払われ乾いていたのでそこにザックを降ろした。

世附から登り始めてからずっと西側に富士山が見え隠れしていたが、菰釣山の山頂から見える富士山は手前に何も妨げられずドーンと目の前にそびえるように見え、その右後ろには白く輝く南アルプスの峰々が連なっていた。

AR山ナビで撮ると、、、

 

風が穏やかで暖かい日だまりのベンチで行動食を摂っていると、道の駅どうしに車を停め作業道を使って高指山に向かう方の登山道から登って来た2人連れのハイカーは、雪があると思っていなかったから軽ハイキングシューズで来てしまったと言いながらチェーンスパイクをしっかりつけていて山慣れしているようで、富士山をカメラに収めてすぐに去って行った。

2人と入れ替わりに道の駅に車を停めて正規ルートでやって来た人は初めて菰釣山に来たそうで、目の前に見える富士山の大きさに感嘆の声を上げながら写真を撮ったり、まじまじと眺めたりを繰り返していた。

行動食を摂り終え下りに備えて身支度を整え、富士山に見入っている人にお先にと挨拶をしてシキリ尾根に向かう。

シキリ尾根から地蔵平

9月に下ったばかりのシキリ尾根だが15号19号台風の影響で少なからず様子が変わっていて、下りはじめに横たわっている大木の左側を回り込んで行けたところが崩れて足場が狭くなってしまい通過に時間がかかった。

斜面が崩れ一艘倒木を回り込むのに苦労が強いられた

前回シキリ尾根を下っていて2か所尾根を目違えそうになったので、コンパスを合わせながら方位と標高に気をつけながら下っているとコンパスの向きと記憶が噛み合わなくなり、よくよく見ると途中で襟からザックのチェストベルトに付け替えた無線機のマイクの磁気がコンパスを狂わせていた。

尾根を間違える原因の1つを自覚した

前回尾根を間違えて下りそうになった2か所に気をつけていたが、最初の1か所はなぜそこで尾根を間違えたのかわからず、明らかな不注意だったようだ。

もう1か所はなるほどこれは間違えるよなーという地形で、広い尾根を下っていて途中左の尾根に乗り換えるのだが分岐手前の左側が小高くなっていて上に木が生えているので右側をトラバース気味に進む。

この時にはまっすぐ下に向かう尾根は見えるのだが左に逸れるべき尾根が見えず、左斜面の上の方をトラバースしていれば左の尾根に気づくが、下をトラバースしてしまうと左に伸びる尾根に気づかずまっすぐ下ってしまったようなので、分岐点の標高にもっと注意を払わなければと思った。

シキリ尾根の上部にある痩せ尾根には雪が残っていて通り過ぎるのに気を遣ったが、その辺りを除けば特に危険な場所もなくすぐに廃道化した林道に合流するので日没が気になる今回のような場合の下山ルートには適しているかもしれないが、合流した林道にも台風の爪痕が残っていて行く手を阻む倒木や道を塞ぐ土石流など前回来た時にはなかった障害物が数多くあり、少なくとも廃道化しているシキリ尾根取り付きから富士見林道までの間は今後も荒れるに任せられ、やがて朽ち果てていく運命なのだろう。

ますます荒れている林道

合流した富士見林道を下り白水橋の向こうに白いコンクリートと作業小屋が見えてくると下界に戻って来たという感じがするし、林道の傾斜も一気に緩くなる。

白水橋を渡っていると作業小屋の辺りで鹿が1頭じっとこちらの様子を窺っていて、カメラを向けて1枚撮ったところで一目散に逃げていくのが見えた。

ガン見されている!

富士見橋を渡ると地蔵平、この富士見橋から富士山は見えないがAR山ナビを向けると手前の山に遮られながらもわずかに大界木山が見えていることがわかった。

地蔵平から浅瀬

集落がなくなってからも地蔵平までタクシーで入れた時期があったと聞いたが、ここからは舗装こそされていないが浅瀬まで平坦な道が続く。

浅瀬まで単調な2時間弱の道のり、、、と思いきや地蔵平から大又沢ダムへの途中2か所の林道への大規模な土砂の流出があり、自然の猛威を感じた。

土石に埋まる林道

処理された倒木

ダムの先に積み上げられた倒木の山を横目に無心に歩いていると、いつの間にかゴローが足になじみ始めているのを感じた。

ミツバ岳の方の山の頭に当たっていた夕日の光が弱くなるのを見て、暗くなる前にとザックから取り出して身に着けたヘッデンの世話になる前に浅瀬の駐車スペースが見えてきた。

コース情報

浅瀬6:39~9:25椿丸~10:09織戸峠~11:12大栂~12:04菰釣山12:33~12:55シキリ尾根~15:11地蔵平~16:54浅瀬

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