2020年1月5日 日程:日帰り 人数:単独 形態:ピストン 交通手段:自家用車
2020年の登り初めと、神之川林道の復旧状態偵察
昨年に引き続き、今年の初登山も菰釣山。
年末の伊勢沢ノ頭と同じくここも静かに歩くことができる山域で、そのうえSOTAの対象になっているのでできれば新年にSOTAポイントゲット2座目を狙いたいし、帰りにはちょっと寄り道をして昨年秋に台風の被害を受けた神之川林道の復旧状況を確認できればと思い出掛けた。
予想外の寒さのなか自宅を出発
夜が明ける頃道の駅に到着するため午前5時駐車場に停めてあった車に乗り、エンジンをかけてガラスを覆っている霜を取るためにワイパーを動かそうとしたがワイパーアームが動かず、車から降りてフロントガラスを見るとなんと夜半に降った雨がガラスに厚く凍ってワイパーが張り付いてしまっていた。
フロントデフォッガーをあて、氷取り用にしているプラスチックカードで氷をこそぎ落として何とか視界を確保して出発するが、以前道志に向かおうとしたときに津久井湖手前で路面が凍結していて途中で引き返したことを思い出し、これから向かう道志の道が凍結していないか少し不安になる。
正月休み最終日ということもあってか格段に空いている保土ヶ谷バイパスを抜け国道16号線を快調に進み、いつも食料を補給する青野原のセブンイレブンで買い物をしていると若者グループの1人が「やっべー、ノーマルタイヤで来ちゃったよ」と話しているのが聞こえた。
買い物を済ませ車に戻りながら、駐車場のアスファルトを足裏で擦ると所々ツルっと滑り凍結しているのが確認できたので、“やっべー、俺もノーマルタイヤだ”と心の中でつぶやいた。
相模原市の中央部から離れるごとに下がってくる気温が青野原を過ぎた辺りから一段と低くなり、普段より交通量が少ない今日は夜半に降った雨が乾かずに凍って路面がうっすらと白くなっている。特に橋の上や山間部のカーブでは路面が凍っていないか目を凝らして普段はあまりブレーキを踏まずに楽しんで走る山道を、コーナーリング中にブレーキを踏まないようカーブ前で充分に減速して注意深く進んでいると片側交互通行の信号で止まっているときに、派手に照明を点けた改造四駆が後ろに停まったので信号が変わっても発進せず横に避けて先に行ってもらい、後ろから追走したら大正解、見た目ほど飛ばし屋ではない改造四駆の後ろにつき、煌々と照らす明りに先導され峠を越えて道の駅に到着した。
道の駅どうしから出発!そしてあっという間に下山、、、
普段ほどではないが車中泊のキャンピングカーや仮眠中の車がそこそこ止まっている道の駅に着いた時にはすでに空が明るくなっていた。
後部座席で身支度を整え登山靴に履き替え道の駅を後にして路面がゴリゴリに凍っている坂道を登っていると、向かいから慎重に下って来たジムニーが私の横でガガガとタイヤを滑らせながら停車し、ドライバーのおじさんに「おはよう!どこに行くの?」と聞かれ、「菰釣まで」と答えると「気を付けてね!」と声を掛けて走っていくのを見送って、なんかいい気分になった。
厳しい寒さの中、年中無休のどうしの森キャンプ場にはパラパラとキャンパーのテントがあったがほとんどがドームテントではなく尖った十二角錐ぐらいのアメリカインディアンが住んでいそうな形のテントで、そのいずれからもストーブの煙突が突き出ていて煙を出していた。
キャンプ場を通り抜け数軒の住宅の前を通り過ぎると三ヶ瀬(サガセ)西沢林道は小川のせせらぎに沿って高原の中を歩いているような風情になるこの辺りは、夏は涼しげだが冬は日が当たると風が無くて穏やかな過ごしやすい場所だ。
林道を少し行ったところには「工事中通行止め」の標識と「自然災害復旧工事中」の看板が立っていて、その先では倒木が林道を塞いでいたので、時短のため林道のゲートまで車で行こうかとも考えたが歩いて来てよかったと思った。
いつも勢いよく水が噴き出ている林道沿いの水場から見上げると谷のさらに上の方でも水が噴き出しているのが見え、その先まで径路が続いていそうだ。キャンプ場の入り口辺りから入山して菰釣山へと続いている尾根に上がれそうな感じがしていたが、ここからも登れるのではないかと思い、いつか試してやろうとGPSアプリにチェックマークを付けた。
更に進み、三ヶ瀬川に左から支沢が流れ込むあたりに前回来た時に確認した古い階段がありその先にも作業道への入口らしい径路が見え、いずれからもキャンプ場の西側に横たわる緩やかな尾根の上に登れそうなので、もう少し暖かくなったら行ってみようと思う。
そうだ、キャンプ場に泊まって登れそうな径路をあちこち歩き回ったら楽しいかも知れない。
径路チェックを終え、林道からブナ沢に入るとここも台風でずいぶん荒れていて、あちこちに倒木や河岸の崩れがあったが通行できないほどひどくないのが幸いだ。(城ヶ尾峠からキャンプ場に下る崩壊しかけたトラバースはどうなっているのかな?)
ブナ沢を詰めてブナ沢乗越に出ると明るく日が射し、相模湾がキラキラ輝いているのが見えた。
ゆるゆると尾根を登ったところにある菰釣避難小屋には″所在神奈川県足柄上郡山北町中川”と書かれた古い杭状の木が立てかけられていて、それを見て山北町ってずいぶん広いんだなと思った。
避難小屋からひと登りした先の菰釣山山頂からはいつも通り見事な富士山が目前に見えたが、今年は少し雪が少ないようだ。
できれば今回SOTAの2座目を、、、と思い、時間も充分にあるがこれまでになく山頂が寒い。温度計の目盛りは-4.4度を示しているが10メートル近い風が吹いていて体感温度は-10度を下回っていそうで、風が当たりにくい陽だまりに移動しても回り込んでいる風から逃れられず、あまりの寒さに強風の中やっとの思いでお握りを1つ食べただけで下山することにした。
夏は虫の総攻撃に遭い冬は凍てつく菰釣山に来るのは、春先が一番良いのかもしれない。
静かとはいえ人気が高い菰釣山ではいつも何組かのハイカーと合うのだが、さすがに正月のこの時期のせいか山頂から取って返して下山する途中、ブナ沢を登って来た親子とブナ沢乗越ですれ違ったのが今回山の中で会った唯一だった。
帰りがけに神之川林道を偵察
昼前に道の駅に戻ったせいか道の駅で売っている野菜類がまだ豊富にあったので、お土産にのらぼう菜と辛味に酒饅頭、そして愛用している道志七里味噌が切れたので味噌を買い、道の駅を出る。
まだ食事らしい食事はしていないが、途中で行動食を摂ったせいかあまり食欲が湧かなかったので津久井湖かどこかに寄ったときに食べることにして神之川林道に向かった。
神之川林道の様子はこちら。(神之川林道の凍結箇所は登り斜面で止まるとノーマルタイヤの2WDでは発進できないかもしれない)
コース情報
道の駅どうし7:20~9:10ブナ沢乗越~9:17菰釣避難小屋9:22~9:45菰釣山10:12~12:00道の駅どうし