越沢バットレス

2018年6月17日 9名 交通手段:自家用車 アプローチ:越沢バットレス前林道駐車スペース

越沢バットレスはつづら岩同様奥多摩にあるマルチピッチトのレーニングができるゲレンデで、つづら岩がアプローチに於いてホンチャン顔負けだとすれば、ここ越沢バットレスの遥か頭上にそびえる第二スラブの巨大な滑り台を登りながら見下ろした時の高度感もまたホンチャンを凌ぐ迫力がある。

梅雨空の下出発

圏央道を降りてから降りだした雨が止みきらないなか、朝のうちは雨がぱらついても昼には晴れ間も出るという天気予報を頼りにとりあえず岩場まで行き様子を見ようと林道の駐車スペースに車を停める。谷越しに見える山の上の方にはガスがかかっているが、岩壁を見ると人が登っているのが見えた、どうやらこれなら登れそうだ。対岸から望む越沢バットレス赤丸の中に人の姿が見える(クリックで拡大)

対岸にあるゲレンデに行くために、一旦沢まで下って足場材を乗せた揺れる丸木橋、2人以上で歩くと揺れて落ちそうになる吊り橋、濡れるとよくすべりそうな幅の狭い木の橋を落ちないように気を付けて渡らなければならず、ある意味ココが核心かも知れない。

右ルート

今日は先輩のTさんと組んで2人パーティーでの登攀、今回で越沢バットレス3回目となる私に手強いピッチをリードさせてくれるというお達しが下された後、岩場直下の東屋で装備を整え、まずは右ルートに向かう。ベテランのYさんがリードする先行パーティーが登って行くのを見ていると、天狗の肩手前のハングをほぼ正面から乗越えて登って行く。先行のフォローが半ばまで進むのを確認し1ピッチ目をリードで登り始めるが、登る直前に足元に置いたアプローチシューズにうっかりロープを引っ掛け落としてしまったのを拾いに行ったときに着いた泥が靴底に残っている気がしてつま先に体重を乗せるのが怖い。時々パンツの裾に靴底を押し付けて泥が無いのを確認しながら天狗の肩手前のハングに行き当たり、ここを正面から乗越えようとするが行けそうで行けず、右に回り込むようにしたらガバが取れたのでぐいと掴んでハングを越える。天狗の肩登攀ルート天狗の肩への1ピッチ目、先行パーティーは黄色のルート私は赤色のルートをとった

このルートは私が外岩で始めてハングを経験した場所で、いままでフォローでしか登ったことがなかったが無事リードできてよかった。

2ピッチ目、Tさんのリードをビレイしていると弱い霧雨が降り出す。途中から同じルートに合流してきた別パーティーの若者が、「この天気もホンチャンっぽいね」と話しているのを聞いて、先週谷川の中央稜を雨に降られながら登ったことを思い出した。

3ピッチ目、私がリードですべり台を登る。越沢バットレスの象徴といえばここと第2スラブのすべり台になるんじゃないかと思う。形も特徴的だが、カチカチでツルツルの岩質もいかにもすべり台という感じで濡れていたらとてもじゃないけれど登れそうになく見えるが、よく見ると結構引っかかりがある。私は前回もここをリードしたが、性に合っているというかここの登りは好きだ。

すべり台を登り終えると大木のところから空中懸垂で下降する。ここの注意点は、50mロープで下れるが下まで完全には届かず途中の斜面でロープが終わること、上から落としたロープの先端が木の枝に引っかかりやすいこと、そして懸垂点にある大木により掛かると樹液で衣類が汚れる点だ。懸垂下降点から下を覗き込む

ここからの懸垂下降は、空中懸垂になる。

右ルートを終え、次に第2スラブを登ろうと取り付きに行くと登っているYさんのパーティーの後ろに私達のグループのSさんパーティーが順番待ちをしていて時間がかかりそうだというので、一旦荷物をデポしている東屋に戻り昼食を済ますことにした。東屋から第2スラブすべり台を見上げる東屋から見上げた第2スラブすべり台の上には人が見える(クリックで拡大)

第2スラブルート

昼食後第2スラブルートの取り付きに戻ると、Sさんパーティーが登り始めていたが1ピッチ目の岩が濡れていて滑りやすいと言う。第2スラブルートの1・3をリードをすることになっている私に緊張が走る、ここの3ピッチ目のすべり台は以前もリードしていて右ルートのすべり台と同様私の好みの登りだが、その反面今回初めてリードするこの1ピッチ目はあまり印象が良くない、取り付くと見た目以上に厳しいというのもあるが、一昨年ここで別グループが登っているのを順番待ちをしているときにリードが目の前でグラウンドフォールするのを見てしまったからかも知れない。

大ベテランのSさんが滑る滑ると言いながら登って行った後、適当な間合いを取って登りだす。始めのうちはなんのこと無いが、案の定少し上がっていくと見た目以上に岩が立っている。登り進むとつい左に行きたくなるが左に行くと登れなくなるので、左に行きたい気持ちをこらえて右にトラバースする。トラバースしたものの濡れた岩が滑りそうな気がして思い切った体重移動ができなくなってしまった。ジリジリとスタンスを変えながら右手を伸ばすとガバが取れホッとする。見た目以上にいやらしい第2スラブルート1ピッチ目見た目以上にいやらしい第2スラブルート1ピッチ目

2ピッチ目Tさんがリードで上り支点を作っている間、周りを見渡すと岩場のあちこちに花が咲いている。もう少し天気が良ければ景色も楽しめるのだがと思った。岩場に咲く花3ピッチ目の大すべり台をリードする。ここは残置されたスリングに手をかけて外に乗り出すようにスタートした記憶があるが、残置スリングは見当たらなかった。前回は左のクラック沿いに登ったが、右に出た方が登りやすいとアドバイスをもらい、右側から登るとなるほどホールドが豊富にあった。第2スラブの大すべり台大すべり台は左のクラック沿いに行きたくなるがそちらはⅥのルート、右の方がホールドが豊富にある

第2スラブ大すべり台上から東屋を見下ろす大すべり台を登りきって下を見ると一緒に来たメンバーが東屋からこちらを見上げていた

大すべり台を登りきって右ルートと同じ懸垂点から下降するとちょうど良い時刻になったので今日の岩トレは終了。

岩場から駐車スペースに戻る途中、岩登りでは会の中で人後に落ちないメンバーらが濡れた木の階段や苔が生えた石の上で足を滑らせコケたのはご愛嬌。

天候が危ぶまれたけれど無事に登れてよかった、今日も有意義な一日を過ごせた。

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